東洋史観 相性は大切!

一般的に相性とは、互いの性格がよく合うことをいいます。
しかし、人問関係には友人・仲間、恋人・夫婦、上司・部下等、さまざまな形態があり、相性の意味合いも異なりますので、各人が持っている目的がどのような形になっているかの構造を知ることが相性を知る上で大事なことになります。
”友人関係”は、それぞれが自分の目的を持っていて目的は複数になりますが、”仲間関係”は、共通の目的を持った人間の集まりであるため、目的は一つです。
このように”友人関係”と”仲間関係”とでは構造が異なるので、友人としては相性が良くても仲間としての相性は良くないこともありうるのです。

では、なぜ人間にとって相性は大切なのでしょう。

これらを東洋史観の観点から説明してみようと思います。

”恋人関係”は”友人関係”と同じで、お互いが別々の目的を持っていて対等となります。
これに対し、”夫婦関係”は”仲間関係”の場合と同じで、目的は共通で夫の役割を持つ方が目的を達成しやすいように、妻の役割を持つ方が支援する形になります。
勿論夫と妻は人としては対等ですが、役目においては上下の関係になります。(この点についてもいろいろと反論もあるでしょうが、今少しおつきあいください)
そのため、恋人としての相性と夫婦としての相性は異なることになります。
夫婦といっても必ずしも男性が夫の役割を果たさなければならないという訳ではないですし、夫の役割を女性が演じても一向に構いません。
しかし、共働きの夫婦は家庭に主人という立場が二つあることになりますので、家族をまとめるにはお互いの理解と努力が必要になる訳です。

これと同じことが組織における”上司部下の関係”にも言えます。
”上司部下の関係”は”夫婦関係”と同じで上司が目的を達成しやすいように部下が支援する形です。
当然ながら、人は単独で進むよりも、他の人と役割分担して共通の目的に向かうほうが前進力は大きくなります。
しかし、1+1=2では相性が良いとはいえず、1+1が3、4、5と膨れ上がって効果を最大限に発揮してこそ、良い相性といえるのです。
ここで誤解がないように補足しておきますが、相性が良いからといっても気が合うとは限りませんし、好きになるとも限りません。
組織における目的達成のための相性は、好き嫌いの問題ではなく、効果をあげるためのパワーが拡大するかどうかの問題ですので、感情を抜きにして考えなくてはならないということなのです。

ということで、最初の命題に戻ります。

なぜ人間にとって相性は大切なのでしょう。

それは、自分の人生を最大限に燃焼させることが人間にとっての生きる価値にあるからです。
そのため、自分ひとりではなかなか燃焼しきれない部分を、相性の良い人たちと融合していくことで、1+1を5にも10にもしていくことが必要になります。
当然ながら、価値観の違う人と人が出会うのですから、その出会いがプラスにもなればマイナスになることもあります。
そんな中、自分のエネルギーを燃焼させてくれるのは誰かを知っていくことで人生は広がっていくのだと思います。
つまり、相性は大事な処世術、東洋史観的に言えば個人の軍略となるのです。

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