歌舞伎は世界に誇る、日本の伝統芸能です。
しかし、元々400年前に登場したときには、大衆を喜ばせるための一大エンターテイメントだったのです。
なんとなく難しそうなので、ということで敬遠されている方も多いのかもしれませんが、そもそもは庶民の娯楽だったもの。
一度観てみれば、華やかで心ときめく驚きと感動の世界が広がっているのです。
しかも歌舞伎は、単に400年もの間、ただただ伝統を受け継いできただけではありません。
時代に呼応して常に変化し、発展・進化してきているのです。
This is ” KABUKI ” ( ノ゚Д゚) もっと歌舞伎を楽しもう!(4) 演目の分類と一覧について
前回は歌舞伎の演目をざっと整理してみましたので、ここからは具体的な演目の内容について触れてみましょう。
今回は、歌舞伎十八番の中から『不動』です。
元禄10年 (1697)、江戸 中村座において初代市川九蔵(二代目市川團十郎)が『兵根元曾我』の一幕として演じたものが原型dですが、
大詰めに役者が不動明王に扮して出現するという神霊事もので、市川宗家の成田山信仰に由来する芸で、江戸時代にはいろいろな狂言の大切に組みこんで演じられていました。
今もよく出る「鳴神」、「毛抜」のふたつは、「鳴神不動北山桜」という長いお芝居の一部なのですが、この「不動」は、その最後の部分です。
帝位を望む早雲王子は絶間姫に横恋慕し、豊秀と絶間姫の祝言の席へ押しかける。必死に防戦するが早雲王子の勢いに押されます。
この時、不動明王が出現し、不動の力で悪は滅び去り、全てを強引に解決します。
現行のものは、寛保2年 (1742) 正月、大坂 佐渡嶋座において二代目市川海老蔵(二代目市川團十郎)が『雷神不動北山櫻』の五幕目大切りに取り入れたものを初演としており、昭和42年 (1967) にはこれを二代目尾上松緑が戸部銀作脚本で復活上演しています。