『三国志演義』第五回 矯の詔発せられて諸鎮曹公に応じ、関兵を破って三英雄呂布と戦う!

 曹操を殺そうとした陳宮だが、ここで彼を殺せば義が立たなくなると思い直しその場を去った。
 曹操が気が付いた時には彼の姿はなく、急いで陳留の家へ戻った。
 そして、兵を整え諸国に檄文をとばした。
 その中の一人、北平太守公孫瓚は、平原県にさしかかったときに劉備達と合流した。

 四代つづけて三公の位たった家柄の袁術を盟主に立てて、弟袁術に兵糧を任せる。
 先陣には孫権が立つ。
 呂布は先陣に進み出るが、華雄も
「鶏をさくに何ぞ牛刀を用いんや」と言う。
 董卓は大いに喜んで華雄に歩騎5万を授けて迎え討たせた。
 孫権の軍勢は華雄の副将コシンを討ち取り、関門に殺到したが、関の上から矢や石が降り梁東に陣をかまえた。
 そして、袁術に兵糧を求めるが、これを拒否されてしまう。
 その隙に華雄に攻められ退却を余儀なくされた。
 ソモは、孫権の赤い頭巾をかぶって華雄の軍勢を引き寄せた。
 孫権はその隙に逃げおおせる事ができたが、ソモは華雄に斬られてしまった。
 次に、袁術配下兪渉が名乗りを上げるが、華雄と三合せずに討ち取られてしまった。
 カンフク配下ハンポウが大斧で挑むがこれも討ち取られる。
袁術が
「我が顔良、ブンシュウがまだ来ていないのが残念じゃ。」というと、
「それがし華雄の首を献じましょうぞ。」と関羽が名乗り出た。
 関羽は、華雄の首を持ってすぐさま戻ってくる。
 陣営の一同は賞賛するが、袁術は、足軽風情が出しゃばるなと怒る。
 そして、劉備らを陣屋に引き取らせた。
 曹操はひそかに人をやって、三人を慰めた。

 袁術達は、虎牢関へ兵を進めるが呂布と対峙した。
 河内太守オウキョウの名将ホウエツが出るが討たれ、オウキョウ勢は大敗してしまう。
 上党太守張楊の配下穆順が出るが、一撃に倒されてしまう。
 北海太守孔融配下武安国が出るが、腕を切り落とされる。
 逃げる武安国を追って呂布が来ると、全軍武安国を助けに出て、呂布は引き返した。
 再び呂布が出てくると、北平太守公孫瓚が迎え討つ。
 数合いする間もなく、公孫瓚は逃げ帰るが途中で迫られて、間一髪、張飛に助けられた。
 呂布は公孫瓚を棄てて張飛に向かった。
 戦うこと五十合、勝負がつかずに関羽が加勢に入った。
 それでも三十合しても呂布は倒せず、劉備がさらに加勢に入った。
 この戦いを将兵達は酔ったように眺めるばかり。
 呂布は応戦に疲れ馬を引く。
 これを張飛が追って関の下まで行くと董卓がいる。張飛は馬に鞭をあて、関に駆け上がって董卓を捕らえようとする。

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