八正道ってご存知ですか?
これは、お釈迦様が「苦」を滅する方法として解き明かした八つの正しい道のことです。
涅槃に至る修行の基本ともされており、正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定の、8種の徳目から成るものですね。
8種の徳目を簡単にまとめてみましょう。
「正見」
・正しく見る、観察をすることで、何か原因でこういう結果になったのかを見ること。
「正思」
・正しく思うこと(正思惟)で、ものをよく深く考えるということ。
そのため、財産、名誉など俗世間で重要視されるものや、感覚器官による快楽を求める五欲、人間の俗世間において渇望するもの(正思惟)から離れること。
「正語」
・いい言葉、正しい言葉を使うこと。そのため、嘘を離れ、無駄話を離れ、仲違いさせる言葉を離れ、粗暴な言葉を離れること
「正業」
・正しい行為を為すこと。そのため、殺生を離れ、盗みを離れ、特に社会道徳に反する性的関係を離れること。
「正命」
・出しい生活をすること。そのため、道徳に反する職業や仕事はせず、正当な生業を持って、人として恥ずかしくない生活を規律正しく営むこと。
「正精進」
・「励む」ということ。
つまり、すでに起こった不善を断ずる、未来に起こる不善を生こらないようにする、過去に生じた善の増長、いまだ生じていない善を生じさせる、という四つの実践について努力すること。
「正念」
・正しく思い考えること。
要は、四念処(身、受、心、法)に注意を向けて、常に今現在の内外の状況に気づいた状態でいること
「正定」
・精神統一を図るということ。要は正しい集中力(サマーディ)を完成すること。
私達は常に自分が正しい見方や判断をしており、それに従って行動していると考えています。
でも正しい見方って意外と難しく、
・自分の物差しで自分本位となるのではなく、不平・不足・不満などの苦の種をつくらない大きな立場で物事を判断すること
・様々な現象に現れた結果を何を基準としてどう捉えるかに関しては、自分の感情が入り混じらせずに差別的な判断をしないこと
には、結構難しい所作と労力が必要です。
要は、平等で見るだけでなく、差別せずに見るという、両方の観点と捉え方(=中道)が必要となる訳ですね。
でもこれに至るには、まずすべて物事は原因があって結果が生まれているということを理解し、その考えの下に、8種の徳目を修行しなければならないということなのです。
思いや考えを八正道によって規定し、それらをどういった形で行動に移していくのか?
これは、仏教に限らず、私達が日々考え意識していくべきことですね。