This is " KABUKI " ( ノ゚Д゚) もっと歌舞伎を楽しもう!(50) スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』

歌舞伎は世界に誇る、日本の伝統芸能です。
しかし、元々400年前に登場したときには、大衆を喜ばせるための一大エンターテイメントだったのです。
なんとなく難しそうなので、ということで敬遠されている方も多いのかもしれませんが、そもそもは庶民の娯楽だったもの。
一度観てみれば、華やかで心ときめく驚きと感動の世界が広がっているのです。
しかも歌舞伎は、単に400年もの間、ただただ伝統を受け継いできただけではありません。
時代に呼応して常に変化し、発展・進化してきているのです。

This is ” KABUKI ” ( ノ゚Д゚) もっと歌舞伎を楽しもう!(4) 演目の分類と一覧について
前回は歌舞伎の演目をざっと整理してみましたので、ここからは具体的な演目の内容について触れてみましょう。
今回は、スーパー歌舞伎の中から『ヤマトタケル』です。

スーパー歌舞伎は、3代目市川猿之助が1986年に始めた、オペラ、京劇、小劇場など他の演劇スタイルを積極的に取り入れ、古典芸能化した歌舞伎とは異なる演出による現代風歌舞伎です。
スーパー歌舞伎という今までになかったまったく新しい歌舞伎の伝説の始まりの第一作は、梅原猛の脚本による「ヤマトタケル」でした。
その後、動員回数や公演数を伸ばし続け、1998年までの実に15ヶ月間、564ステージ上演しています。
2014年より「スーパー歌舞伎II(セカンド)」として、4代目市川猿之助を中心とした作品を上演中。

「ヤマトタケル」

日本がまだ国家として成立する以前のこと。
謀反をたくらむ双子の兄大碓命と口論の末、兄を誤って手にかけた小碓命は、父帝の怒りを買い、未だ大和に従わない熊襲の征伐に行かされることになった。
踊り女に変装した小碓命は熊襲の首領タケル兄弟を征伐。熊襲タケルは敵ながらその勇気を称え、ヤマトタケルの名を与えるのだった。

見事熊襲征服を果たし大和に帰ったタケルだったが、父帝の許しは得られず、さらに蝦夷征伐を命ぜられる。
蝦夷征伐は苦難の連続で、走水では愛する弟橘姫までも犠牲になった。
ついに蝦夷を平定し、凱旋の途中タケルは尾張国に立ち寄った。
国造の娘みやず姫に出会い、傷心を慰められたタケルであったが、父帝から再び大和への帰途、伊吹山の山神を退治することを命じられる。
伊吹山の神を甘く見たタケルはみやず姫の元に宝剣草薙剣を置いたまま伊吹山に向かう。
苦戦しながらも伊吹山の神を倒したタケルだったが、自身も深手を負ってしまう。

懐かしい故郷の大和を夢に見ながら、道半ばでタケルの命は尽きてしまう。
やがてタケルの魂は真っ白な大きな鳥となって昇天していくのだった。

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