【千夜一夜物語】(46)  薔薇の微笑のファリザード(第774夜 – 第779夜)

前回、”アラジンと魔法のランプの物語”からの続きです。

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お忍びで貧民街を視察中、一軒の家で美しい三姉妹が披露しあっている望みを聞いた帝王ホスロー・シャーは、彼女たちの望みを叶えて長女を王宮の菓子職人にめあわせ、次女を王宮の料理番にめあわせ、三女を自らの妻に迎えた。
三女は三度懐妊したものの、出産に立ち会った嫉妬深い姉たちが子供を犬・猫・鼠にすりかえたため、帝王の不興を買って幽閉されてしまう。
一方、王妃の姉たちが動物とすり替えて川に流した帝王の子供たちは王宮の御苑監督に拾われて育てられ、二人の兄ファリドとファルーズは眉目秀麗な立派な騎士に、末の妹ファリザードは「薔薇の微笑のファリザード」と称えられる美しい乙女に成長した。

御苑監督の屋敷で兄たちと何不自由ない生活を送っていたファリザードだが、ある日屋敷に立ち寄った年老いた聖女から「もの言う鳥」「歌う木」「金色の水」という三つの宝の話を聞き、すっかり魅了されてしまう。
ファリザードから宝の話を聞いた二人の兄は宝を求めて山に登るが、山を支配している「見えざるもののともがら」の試練に屈して黒い石像にされてしまう。
最後に山に挑んだファリザードは試練にうちかって山頂にある三つの宝を手に入れ、その霊験を以て石像と化した兄たちを救い出して帰還する。

ある日偶然にファリザードの兄たちと帝王が出会って屋敷の見物にやってきたところ、「もの言う鳥」がファリザードたちが帝王の子であることを明かしたため、王妃の名誉も回復され、一同は幸せに暮らした。

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次回は、カマールと達者なハリマとの物語です。

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