明王・愛染明王!愛を成就させてくれる仏!

愛染明王(梵名ラーガ・ラージャ、マハー・ラーガ)は、憤怒相を主とする尊格である明王の一つで、古代インドの神であり、人間の煩悩としての愛欲を、そのまま仏の悟りに変える力をもち、愛欲煩悩が即菩提であることを開示し愛を成就させてくれる仏です。
※)全体的な整理を行っている”日本の仏像に魅せられて”や”自分を守ってくれる守護本尊!”、”アジアンユニット 招福七福神めぐり”も参考にしてください。

サンスクリット語で「ラーガ」とは赤、愛欲の意味で、その名前のとおり、愛情・情欲をつかさどり、愛欲貪染をそのまま浄菩提心(悟りの心)にかえる力を持つ煩悩即菩提を象徴した明王です。
人にはさまざまな欲望がありますが、この欲望は人を滅亡へと駆り立てる反面、生きて行くうえでの活力源となり、より多くのものを可能にし、高める力を持っています。
この両刃の剣である力強い欲望の工ネルギーを、悟りを求めて自らを高めようとする積極的なエネルギーに転化・浄化しようとするのが愛染明王の教えです。

一面六臂三目の赤肉色が特徴で、 頭に獅子冠をかぶり、髪を逆立て、三目で、牙をむき出して□をカッと開き恐ろしい姿の憤怒尊として表現されています。
目が三つあるのは三界を見通す事を示しており、腕は六本、これは地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道の六道すべてを救う意味です。
持物は左右第一手には金剛薩たを象徴とする五鈷杵・五鈷鈴を、左右第二手には金剛愛菩薩を象徴する弓と矢を取り、右第三手には未敷蓮華、左第三手は金剛拳です。

愛染明王は仏としての誓願に基づき、一切衆生を諸々の苦悩から救うために十二の広大な誓願を発しているとされ、その内容は以下のようになっています。
・智慧の弓と方便の矢を以って、衆生に愛と尊敬の心を与えて、幸運を授ける。
・悪しき心を加持して善因へと転換し、衆生に善果を得せしめる。
・貪り・怒り・愚かさの三毒の煩悩を打ち砕いて、心を浄化し、浄信・菩提心を起こさしめる。
・衆生の諸々の邪まな心や、驕慢の心を離れさせて、「正見」へと向かわせる。
・他人との争いごとの悪縁を断じて、安穏に暮らせるようにする。
・諸々の病苦や、天災の苦難を取り除いて、信心する人の天寿を全うさせる。
・貧困や飢餓の苦悩を取り除いて、無量の福徳を与える。
・悪魔や鬼神・邪神による苦しみや、厄を払って、安楽に暮らせるようにする。
・子孫の繁栄と、家運の上昇、信心する人の一家を守って、幸福の縁をもたらす。
・前世の悪業の報いを浄化するだけでなく、信心する人を死後に極楽へ往生させる。
・女性に善き愛を与えて良い縁を結び、結婚後は善根となる子供を授ける。
・女性の出産の苦しみを和らげ、その子のために信心すれば、子供には福徳と愛嬌を授ける。

B00B45JAGKB00QLYP2984784333762B00HD8TF3AB00MLYIIDO4473038386