ピーター・リック!幽玄で幻想的な世界観を表現する風景写真家!

写真として史上最高額となる650万ドル(約7億8千万円)の高値がついた”Phantom”。
これは、昨年2014年11月のことです。
“Phantom”はオーストラリア生まれの写真家ピーター・リック(Peter Lik)の作品ですが、彼は今、世界で最も革新的な風景写真家の一人です。
自然の明るい色彩と素晴らしい地形を捕えるパノラマ風景写真で世界的に知られており、芸術性の高いファインアート写真界のリーダーとして日本でも知る人ぞ知る存在。
あなたも、一度はどこかで目に触れたことがある作品があるはずです。
オーストラリア写真協会(AIPP)とプロフェッショナル・フォトグラファーズ・オブアメリア(PPA)より、最高賞「マスター・オブ・フォトグラファー」など名誉ある賞を多数受賞し、写真界においての史上最多受賞数を更新、各賞レースを総ナメにする革新的なフォトグラファーです。

今回650万ドルで売却された”Phantom”ですが、私はここに日本人の感性にも響く水墨画的な幽玄美※)を感じるのです。
※)以前、幽玄について整理したものもありますので、参考にしてください。
水墨画に観る、深山幽谷と幽玄の美しさ!
幽玄、風雅!日本美の情趣、柔和さや上品さを伴う遊びの日本文化理念!

phantom

“Phantom”

この”Phantom”の舞台は、米アリゾナ州のアンテロープ・キャニオンにあるスロット・キャニオン(=幅の狭い渓谷)。
長い年月をかけて雨水が砂岩を浸食して形成された地層が神秘的な美しさを、あえてモノクロ写真で演出することで、華美とは対極にある深山幽谷たる幻想的な質感と美しさを見事に写し出しています。

650万ドルという買い取り額は、写真につけられた値段としては史上最高額。
しかも、過去のピーター・リックの傑作”Illusion”に240万ドル、”Eternal Moods”に110万ドルであわせて買い付けられ、総額1,000万ドルの値がついたことも、さらにこの風景写真家の評価を高らしめる効果をもたらしています。

EternalMoods

“Eternal Moods”

過去のピーター・リックの作品には、”One”という写真で100万ドルという値が付いていましたが、今回はそれをはるかに上回る評価です。

One

“Illusion”

日本ではまだ写真集自体が少ないですが、今年はちょっとしたブレイクの予感です。
ピーター・リックのウエブサイトでは、このあたりの作品も楽しめるので、正月の心の箸休めとしてもご鑑賞ください。
Peter Lik USA – Fine Art Photographer and Luxury Photography

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