『三国志演義』第十八回 賈文和敵を料って勝を決し、夏侯惇矢を抜いて睛を啖う

 賈詡の計は城内に伏兵を置くことであり、曹操が城内に入ると一斉に攻撃をした。
曹操は慌てて兵を退いた。
劉表は、曹操が兵を退いたのを見ると、孫策を警戒した。
この一戦は全て賈詡の進言通りに進んだ。

 曹操が丞相府に帰ると、袁紹から公孫瓚攻めの兵を借りたいという書面が来た。
荀昱と賈詡カは「袁紹如き恐れるものではありません。
呂布攻略を優先すべきです」と進言し、曹操は袁紹に兵を貸し与えた。
そして、劉備に呂布討伐の加勢を求める書状を使わした。
しかし、途中で陳矯に書状を取られてしまい、それを読んだ呂布は怒って兵を出した。

 この異変に気付いた劉備は、曹操に事の次第を知らせて城を固めた。
曹操は、夏侯惇、夏侯淵、呂虔、李典らに五万の兵を与えて先行させ、自ら大軍を率いて出陣した。
夏侯惇は、皇潤の軍勢とぶつかり皇潤と一騎打ちをする。
皇潤は四、五十合いしてかなわず陣に逃げ帰った。
追いかけて陣中まで来た夏侯惇は、曹性に左目を射抜かれてしまう。
急いで引き抜くと目玉まで抜け出て来たので、「これは父母の血だ。
棄ててなるものか」とそのまま呑み込み、曹性を突き殺した。
両軍の兵士はこれを見て息をのんだ。
夏侯惇が自分の陣へ帰ろうとすると、皇潤が全軍で後を追ってなだれかかったので曹操の軍勢は討ち崩された。
勢いにのって皇潤は劉備達の陣に押し寄せた。

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