陰陽五行とは?

陰陽五行とは、ひとことでいうと”見えない世界までを含む森羅万象を測るモノサシのようなもの”だと捉えてください。
ですので、複雑な人間関係や「ヒトは何処から来て何処に行くのか」といった命題に至るまで、奥が深く応用も広い学問体系なのです。

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そもそも「陰陽五行」とは「陰陽」と「五行」を組み合わせたものです。

十干
まず陰陽ですが、十干ないし干支の呼称である「えと」。これこそ陽と陰を示しているものなんです。
「え」が陽、「と」が陰。語源は「え」は兄、「と」は弟だそうです。
これに木、火、土、金、水、(金は「きん」でなく「ごん」と読むらしい)の五行が加わり、陰陽と組み合わせて「えと」が成立するのです。
具体的に説明していきましょう。
十干は甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸ですよね。
音読みだと「こう、おつ、へい、てい、ぼ、き、こう、しん、じん、き」。
これだけだと陰陽と五行にどう対応しているか分かりにくいんですが、訓読みにすると「きのえ、きのと、ひのえ、ひのと、つちのえ、つちのと、かのえ、かのと、みずのえ、みずのと」となります。
 木、火、土、金、水が五行で、語尾の「え」が陽、「と」が陰。
もうわかりましたよね。
たとえば、
 木の「え」だから、甲(きのえ)。
 木の「と」だから、乙(きのと)。
 水の「え」だから、壬(みずのえ)。
 水の「と」だから、癸(みずのと)。
だから、十干は五行と陰陽の組み合わせをそのまま体現している訳です。

十二支
じゃあ十二支はどうかというと、これにも五行が配されているんです。
まず、季節に対応する五行(五時または五季)は、春が木、夏が火、秋が金、冬は水になります。
土はどこに行ったかというと、四季それぞれの最後の約18日(土用)。
そう、うなぎで有名な「土用の丑の日」は夏の最後の時期(土用)の丑の日(丑は土の五行)なんですね。
これらを各季節別に十二支を配してみると、
 春は、一月寅、二月卯、三月辰(五行は木、木、土)
 夏は、四月巳、五月午、六月未(五行は火、火、土)
 秋は、七月申、八月酉、九月戌(五行は金、金、土)
 冬は、十月亥、十一月子、十二月丑(五行は水、水、土)
となる訳です。

干支
そこで、あれって思いますよね、干支はどうやって陰陽で成り立っているのかって。
そこなんですが、まず十二支の陰陽は、子から数えていき、奇数番目は陽、偶数番目は陰となります。
十干は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類からなり、十二支は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12種類からなっており、これらを合わせていわゆる干支と呼びますが、これが60年周期で巡る干支の元になっているんです。
ちなみに、十干と十二支が組み合わさるとき、陰と陽の組み合わせはないらしく、陽と陽、陰と陰の組み合わせのみとなるので、10×12=120とはならず、半分の60通りになるということです。
要は、甲子はあっても乙子はない、乙丑はあっても甲丑はないということです。


陰陽五行の暦についても触れておきましょう。
陰陽五行では立春を一年の始まりとしており、月の始まりも1日ではなく、二十四節気のうち月の前半に来る十二の節が月の始めとなります。
このように節から次の節の前日までの間を1か月とする月の区切り方を節切り、そしてその月を節月というんです。
 立春(正月節)、新暦2月4日頃
 啓蟄(二月節)、新暦3月6日頃
 清明(三月節)、新暦4月5日頃
 立夏(四月節)、新暦5月5日頃
 芒種(五月節)、新暦6月6日頃
 小暑(六月節)、新暦7月7日頃
 立秋(七月節)、新暦8月7日頃
 白露(八月節)、新暦9月8日頃
 寒露(九月節)、新暦10月8日頃
 立冬(十月節)、新暦11月7日頃
 大雪(十一月節)、新暦12月7日頃
 小寒(十二月節)、新暦1月5日頃
ですので、前出の十二支で冬は”十月亥、十一月子、十二月丑(五行は水、水、土)”と説明しましたが、小寒から立春前日の「年の干支」は前年の干支となり、「月の干支」は十二月丑となる訳です。