【千夜一夜物語】(30) 匂える園の道話(第502夜 – 第505夜)

前回、”アブー・キールとアブー・シールの物語”からの続きです。

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【匂える園の話】
【三つの願いごと】

ある善い行いの男が、ある日、三つの願い事がかなう「全能のかないの夜」を迎えた。
一つ目の願いに、大きな一物を願ったところ、大きくなりすぎてしまった。
二つ目の願いに、小さくするよう願ったところ、一物はなくなってしまった。
しかたなく、三つ目の願いに元通りにするよう願い、元に戻った。
この話の教訓は、持っているもので満足すべきだということである。

【若者と風呂屋のあんま】

腕のいい風呂屋のあんまが、大臣の若く美しい息子にマッサージをしていると、一物が榛の実ほど小さいのが見えた。
大臣の息子に話すと、女をまだ知らないため大きくならないのだろうと言い、あんまに金を渡して女を世話して欲しいと言った。
あんまは、小さ過ぎて安全だと思い、金を自分の物にし、自分の若くて美しい妻を風呂に連れて行った。
大臣の息子の一物は、あんまの妻を見ると巨大になり、妻を貫いた。
あんまの妻は、美しく逞しい大臣の息子に夢中になり、あんまと分かれた。
あんまは絶望し自殺した。
この話の教訓は、見た目で判断してはいけないということである。

【白にもいろいろ】

ある男が人妻に横恋慕をしたが、人妻は相手にしなかった。
その男は復讐を考え、その家の若い下男と仲良くなり、家人がいないときに家に入れてもらい、こっそり人妻の寝床に卵白を垂らした。
家の主人が帰り、寝床にしみを見つけ、男の精液だと思い、人妻を縛り、殺そうとした。
若い下男はしみの元をフライパンに集め、火で炙ったところ、卵白であることが分かり、夫は妻に謝り、100ディナールの金の首飾りを贈り、夫婦は仲直りした。
この話の教訓は、白にもいろいろあり、違いを見分けることが重要ということである。

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次回は、陸のアブドゥッラーと海のアブドゥッラーの物語です。

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