日本人の教養として美しい漢字を!文化編4

私達の日常を取り巻く文字の中で、普段あまり使われることがなくなってきた漢字も数多あります。
しかし、こうした漢字の中には非常に美しいものや、はっと気づかされる意外なものがあります。
手書きで文字を書く習慣もますます少なくなってきていますが、普段使用頻度の低い漢字を顧みることで、新たな再発見をして欲しい。
そんな思いで、何回かに渡って美しい漢字を整理してみたいと思います。
ふとした折にこれらの漢字を使って、センスの良さをアピールしてみる、なんてのもいかがですか。

今回は、前回前々回前々々回に引き続き文化にこだわってみたいと思います。

【相舞】あいまい
・能・狂言で、二人以上が同じ型で一緒に舞うこと。

【赤頭】あかがしら
・能で,天狗・神霊・悪鬼・妖怪・猩猩・獅子などに用いる。長い赤毛の頭。歌舞伎でも鬘として使う。

【悪尉】あくじょう
・能面での 強く恐ろしい雰囲気の老人。悪とは強いとか存在の大きなという意味。

【悪婆】あくば
・ 歌舞伎の役柄の一つで、悪事を働く中年女の役。毒婦の性格をもつ。

【荒事】あらごと
・歌舞伎で、武士や鬼神などの荒々しさを誇張して演じること。また、その演出様式やそれを演じる狂言。

【出雲阿国】いずものおくに
・安土桃山時代の女性芸能者。ややこ踊りを基にしたかぶき踊りを創始し、ここから様々な変遷を得て、現在の歌舞伎が出来上がっている。

【入事】いれごと
・ 糸に乗る三味線音楽のリズムに合致させてせりふを述べる〈語り〉の表現技巧。

【紅入】いろいり
・女性役の使う能装束で,紅系の色を使ったもの。「熊野」や「求塚」のシテのような若い女に用いる。

【外郎売】ういろううり
・歌舞伎十八番の一つ。 「外郎」というのはのどの薬のことで、この売人に化けた曽我五郎が仇の工藤祐経に近づくという筋。

【謡】うたい
・能の声楽のこと。

【嫐】うわなり
・ 歌舞伎十八番の一つ。 1699年初世市川団十郎が初演。 一人の男に二人の女が嫉妬でからむ所作で,後妻(うわなり)打ちの風習を劇化したもの。

【燕手】えんで
・歌舞伎のかつらで、月代(さかやき)の毛がツバメの翼のように、髷(まげ)の両脇へ突出したもの。

【横笛】おうてき
・雅楽に用いる笛の一つで、龍笛(竜笛)、能管、篠笛など日本古といった来の横笛は「おうてき」「ようじょう」と呼ぶ。

【鸚鵡】おうむ
・歌舞伎で、主要な役が引っ込みのときなどに、派手なしぐさをしたり、利きぜりふを言ったあと、三枚目役が、そのとおりのまねをして観客を笑わせる演出。

【小忌衣】おみごろも
・大嘗祭・新嘗祭などに,小忌の官人・舞人などが装束の上に着る狩衣に似た衣

【花車方】かしゃがた
・歌舞伎で、年増・老女に扮する女方。また、その役柄。

【鞨鼓】かっこ
・雅楽で使われる打楽器で、鼓の一種。 奏者の正面に横向きに置き、先端を団栗状にしてある桴を使って左右両面を打つ。

【鬘】かづら
・日本で行われた古代の髪飾り。

【勧進帳】かんじんちょう
・歌舞伎演目のひとつ。歌舞伎十八番のひとつ。また、長唄曲名のひとつ。 江戸時代は初代市川團十郎が初演した「星合十二段」にはじまる荒事風演出が主だった。

【柝】き
・拍子木を打ち合わせて「ちょん」と音を出すこと。

【黒衣】くろご
・ 歌舞伎の舞台進行,演技の介添えをする役。

【見所】けんしょ
・能楽堂の観客席。舞台の正面,向って左側の橋懸りの前の脇正面,両者の間の中正面の順に分けられる。

【口跡】こうせき
・言葉づかい。口のきき方。特に,歌舞伎の役者の声色や台詞の言い回し。

【高麗笛】こまぶえ
・雅楽で使う管楽器のひとつ。吹き物。高麗楽と、国風歌舞の内の東遊で使われる。

【胡飲酒】こんじゅ
・雅楽の舞曲。林邑楽系の唐楽。壱越調で古楽の小曲。

【催馬楽】さいばら
・平安時代に隆盛した古代歌謡。元来存在した各地の民謡・風俗歌に外来楽器の伴奏を加えた形式の歌謡である。

【笏拍子】しゃくびょうし
・雅楽などにおける打楽器の一つ。国風歌舞、催馬楽に用いられる。

【曲見】しゃくみ
・能面の一。額と顎とが突き出し,顔面の中央部が幾分しゃくれた女面。

【笙】しょう
・雅楽などで使う管楽器の1つ。 雅楽で用いられる笙は、その形を翼を立てて休んでいる鳳凰に見立てられ、鳳笙とも呼ばれる。

【定式幕】じょうしきまく
・ 歌舞伎の引き幕に用いられる正式の幕。現在では萌黄,柿,黒の木綿の布を右から順に縦にはぎ合せてある。

【生締】なまじめ
・ 歌舞伎の鬘の一種で、髷を油で棒状に固めたもの。

【奈落】ならく
・劇場の舞台や花道の床下にあるスペースのこと。

【直面】ひためん
・能で、役者が面をつけずに素顔のままでいること。

【篳篥】ひちりき
・雅楽や、雅楽の流れを汲む近代に作られた神楽などで使う管楽器の1つ。吹き物。

【一幕見】ひとまくみ
・ 劇場で、数幕上演しているうちの一幕だけを見ること。

【附子】ぶす
・毒を題材とした狂言の演目の一つ。筋書きが簡潔で、オチも室町時代という時代背景への依存度が低いため、古文の教科書の常連である。

【幕間】まくあい
・演劇で,一つの場面が終わって次の場面が始まるまでの,舞台に幕が引かれている間。また,一つの芝居が終わって別の芝居へ移る間。

【櫓】やぐら
・江戸時代の劇場正面に高く設けられた炬燵 (こたつ) 櫓のような構造物。興行の官許の印として劇場に設けられた

【八多羅滅多羅】やたらめったら
・夜多羅、八多良は、雅楽の拍子を表す言葉の一つ。めちゃくちゃになってしまうこと。

【呂律】ろれつ
・ものを言う調子。ことばの調子。

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