ディラン・トマスという詩人!穏やかな夜に身を任せるな!

先日クリストファー・ノーラン監督の『インターステラ―』の話題に触れましたが、その中でディラン・トマスの詩が引用されていたので、少し興味を持ってみました。
 InterStellar:『インターステラ―』これは21世紀版「2001年宇宙の旅」だ!

ディラン・トマス。ウェールズの詩人・作家です。
今回引用されていた詩は「Do Not Go Gentle Into That Good Night」という、彼にとってはとても有名な詩です。
『インターステラー』自体が、滅びゆく地球と人類、そして愛する家族のために宇宙へ旅立つ父親の物語であるために、一度は捨てていた自分の人生を取り戻して困難に立ち向かっていくという意味でも、この映画の内容にピッタリとはまった、とても印象に残る詩篇でした。
映画の中では一部しか紹介されませんが、劇中に出てくる日本語訳はこんな感じです。
”穏やかな夜に身を任せるな。
老いても怒りを燃やせ、終わりゆく日に。
怒れ、怒れ、消えゆく光に。”

映画の効果だと思うのですが、2015年春にはディラン・トマスのガイド本も出るようですし、たまにはこうした詩人に触れてみてはいかがでしょうか。

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Do Not Go Gentle Into That Good Night
                          Dylan Thomas
Do not go gentle into that good night,
Old age should burn and rave at close of day;
Rage, rage against the dying of the light.

Though wise men at their end know dark is right,
Because their words have forked no lightning they
Do not go gentle into that good night.

Good men, the last wave by, crying how bright
Their frail deeds might have danced in a green bay,
Rage, rage against the dying of the light.

Wild men who caught and sang the sun in flight,
And learn, too late, they grieved it on its way,
Do not go gentle into that good night.

Grave men, near death, who see with blinding sight
Blind eyes could blaze like meteors and be gay,
Rage, rage against the dying of the light.

And you, my father, there on that sad height,
Curse, bless me now with your fierce tears, I pray.
Do not go gentle into that good night.
Rage, rage against the dying of the light.

「あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない」
                          ディラン・トマス
あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない
老齢は日暮れに 燃えさかり荒れ狂うべきだ
死に絶えゆく光に向かって 憤怒せよ 憤怒せよ

賢人は死に臨んで 闇こそ正当であると知りながら
彼らの言葉が稲妻を 二分することはなかったから 彼らは
あの快い夜のなかへおとなしく流されていきはしない

彼らのはかない行いが緑なす入江で どれほど明るく踊ったかも知れぬと
最後の波ぎわで 叫んでいる善人たちよ
死に絶えゆく光に向かって 憤怒せよ 憤怒せよ

天翔ける太陽をとらえて歌い
その巡る途中の太陽を悲しませただけだと 遅すぎて悟る 気性の荒い人たちよ
あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない

盲目の目が流星のように燃え立ち明るくあり得たことを
見えなくなりつつある目でみる いまわのきわの まじめな人たちよ
死に絶えゆく光に向かって 憤怒せよ 憤怒せよ

そしてあなた ぼくの父よ その悲しみの絶頂で
どうかいま あなたの激しい涙で ぼくを呪い祝福してください
あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない
死に絶えゆく光に向かって 憤怒せよ 憤怒せよ!