サン・ジョルディの日!ドラゴンの血から咲いた美しいバラ伝説と共に!

今日(4月23日)は、男性は女性に麦の穂を添えた一輪の赤いバラを贈り、女性は男性に本を贈る、愛する者同士の記念日・サン・ジョルディの日ですね。
元々は、スペイン・カタルーニャ地方における、キリスト教の聖人・聖ゲオルギオス(カタルーニャ語でサン・ジョルディ)の聖名祝日で、カタルーニャでは親しい人に本を贈る記念日とされています。

どうやら聖ゲオルギオスは、ドラゴン退治の伝承を持つキリスト教の聖人にしてカタルーニャ地方の守護聖人で、4月23日はこの聖人が殉教した日のため、これを記念して聖名祝日となっているそうです。

サン・ジョルディのドラゴン退治の伝説は、ざっと以下のようなものです。

「むかしむかし、スペイン ・カタルーニャ地方のモンブランク村の湖に、1匹のどう猛な悪いドラゴンが住んでいました。
 人々はドラゴンをなだめるために最初は羊を毎日2頭捧げていたが、そのうち羊が少なくなってしまったので羊1頭と若い人間を捧げるようになっていました。
 やがて若い男女が少なくなり、ある日王は自分の姫を捧げることになってしまいます。

 王は8日間嘆き悲しんでから姫を湖のほとりにおいて戻ってしまいました。
 そこをたまたま通りかかった白い馬にのり、黄金の剣をもった若き騎士ゲオルギオスはドラゴン退治に乗り出すことにします。
 彼は湖のほとりで王女に立ち去るように言い、戦い始めました。
 なかなか決着がつかない中、ゲオルギオスは王女に腰帯をドラゴンの頭に投げるように言うと、ドラゴンがおとなしくなります。
 そこでゲオルギオスはドラゴンを町までひきずっていき、人々の前でドラゴンをひと突きでしとめました。
そのときドラゴンの血が地面に流れ、そこに美しい赤いバラが咲きました。」

ゲオルギオスが退治したドラゴンの血が赤いバラになったという伝承から、中世以来聖ゲオルギオスは赤いバラと結び付けられていたそうですが
このためサン・ジョルディの日は「バラの日」(El dia de la Rosa)とも呼ばれているのです。

そしてサン・ジョルディの日は、「本の日」(El dia del Llibre)としても知られていますが、これは小説『ドン・キホーテ』の作者ミゲル・セルバンテスの命日であり、さらにウィリアム・シェイクスピアの誕生日にして命日であることから、この日に本を贈るという風習が始まったそうです。

日本ではなかなか流行らない風習ですが、こんなロマンティックな伝説を持つサン・ジョルディの日。
あなたも愛する人に、赤いバラや本を贈ってはいかがでしょうか。