今日(4月1日)は、セルゲイ・ラフマニノフ (Sergei Vasil’evich Rachmaninov)の生誕142回目の日です。
ということで、今回はラフマニノフに関係のある映画についてです。
「ピアノ協奏曲第2番」がクラシック・ファンだけでなく一般に広く知られるようになったのは、1945年のデヴィッド・リーン監督のイギリス映画『逢びき』によってです。
ラフマニノフは生涯に四つのピアノ協奏曲を書き上げましたが、中でも最高傑作として知られている「ピアノ協奏曲第2番」は、世界中のピアニストがこぞって取り上げ、演奏会でもお馴染みのプログラムとなっています。
『逢びき』では、この「ピアノ協奏曲第2番」の切なく甘美な旋律が、中年の淡い不倫の恋を描いたメロドラマのムードをいやが上にも高め、多くの映画好きを魅了。
この映画は1946年のカンヌ国際映画祭のグランプリと批評家賞を受賞しています。
あまり知られていませんが、マリリン・モンロー主演の『七年目の浮気』やジョセフ・コットン主演の『旅愁』でも「ピアノ協奏曲第2番」は使われていましたね。
「ピアノ協奏曲第3番」を題材にした映画であれば『シャイン』ですね。
「ピアノ協奏曲第3番」は、「ピアノ協奏曲第2番」に並ぶ優れた作品であるにもかかわらず、演奏される機会はうんと少なく、多くのピアニストがこの楽曲を前に足踏みしています。
それはこの曲が余りにも壮麗で、究極の技巧を要求される至難の大曲だからです。
ピアノとラフマニノフをめぐる彼の数奇な運命が描かれている『シャイン』は、実在のピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットをモデルとし、1997年アカデミー主演男優賞をはじめ、数々の映画賞を総ナメにしています。
1997年公開、ソフィー・マルソー主演の『アンナ・カレーニナ』でも「悲しみの三重奏曲第1番」と共に使われていました。
1980年公開、クリストファー・リーヴ主演の『ある日どこかで』(Somewhere in Time)では、「パガニーニの主題による狂詩曲」が使われ、切ないストーリーをより一層際立たせています。
私がラフマニノフという作曲家を強く意識したのは、この映画がきっかけなんですよね。
「パガニーニの主題による狂詩曲」は結構いろんな映画に使われていて、1953年公開の『三つの恋の物語』、1954年公開の『ラプソディー』、1991年公開の『愛と死の間で』、1993年公開の『恋はデジャブ』、1995年公開の『麗しのサブリナ』、1998年公開の『RONIN』などがあります。
天才ピアニスト・作曲家のラフマニノフの生涯を名曲に乗せて綴る伝記映画であれば 2008年公開の『ラフマニノフ ある愛の調べ』です。
裕福だった生家の没落、恩師との決別、作曲家生命の危機など、人生を波乱に見舞われた彼が生み出した数々の名曲にまつわる秘話がドラマティックに描かれ、全編ラフマニノフガイドのような映画。
クラッシックから映画を楽しむ、というのも良いのかもしれません。
では。