江戸時代の風俗、事物を説明した類書『守貞謾稿』に書かれている意気と粋。
「京坂は男女ともに艶麗優美を専らとし、かねて粋を欲す。
江戸は意気を専らとして美を次として、風姿自づから異あり。
これを花に比するに艶麗は牡丹なり。
優美は桜花なり。
粋と意気は梅なり。
しかも京坂の粋は紅梅にして、江戸の意気は白梅に比して可ならん」
と書かれています。
まあ、江戸と上方の区別もありますが、現代では総じて身なりや振る舞いが洗練されていることや人情に通じていること、遊び方を知っていることなどの意味ですね。
生き方のカッコよさやすっきりした態度・行動。
反骨精神や情の深さ。
言葉でごちゃごちゃ言いつくろうのではなく、態度・行動できっちりと結果を示す。
それでいて、それを自慢することもなければ偉ぶるところもない。
「侘寂」とは対極に思われがちですが”意気・粋”である生き方には、日本人の軸となる大切な美意識が根付いているのです。
背中で”意気・粋”だと言われるように、修養していきたいものですね。
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