截金・切金は、金箔・銀箔・プラチナ箔を数枚焼き合わせ細く直線状に切ったものを、筆とのりや接着剤を用いて貼ることによって文様を表現する伝統技法です。
私が見たものは、掛け軸から剥がれ落ちた截金の復元作業で、まずは数枚を焼き合わせた金箔を、竹刀で0.1mm幅に切っていくもの。
これはまだ準備段階とはそれ自体が匠の技そのものので、思わず息を呑んでしまいました。
それを接着剤を含んだ筆で目的の線描をなぞり、そのなぞりを追いながら糸状の金箔を垂らして貼っていくもので、ひとつ間違えばそれで終わりなものを、精密機械のように金箔の線描が描かれていく。
その製作過程がまた見事で、今何か修行しろと言われれば、間違いなく截金職人、と言いたくなるくらいの技巧の世界です。
仕上がりを見ると、截金を施した後に上塗りで彩色してあったこともあり、光の加減でその截金が浮き上がるような錯覚に捉われ、えもいわれぬ美しさ。
これこそが、世界に誇れる日本の伝統技法のひとつであることは確かなことです。
工芸品や仏像・仏画を荘厳にするために発達してきた技術であり、細い線状の截金だけでなく、三角形・菱形・丸型などの形に切った截箔・切箔、箔をある形に截り透かした截文を組み合わせて截金文様としてひとつの伝統技法として伝承されているもの。
これは、是非とも未来永劫伝え、また現在の技術と習合しながら更なる高みの技術へと精錬していって貰いたいものです。
以下は私が見たものとは異なりますが、どういったものかの参考としてご覧ください。
5分あたりから、その過程がよくわかります。
ステキなHPなどもありますので、興味がある方はどうぞ。
【截金】-きりかね- 左座朋子
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